音質の良し悪しはデータから判断するのが手っ取り早いです。
しかし、音質を構成するものには様々な要素があります。
そこで当記事は、音質についてかなり砕いて解説しました。
音質に少し興味がでてきた方は、ぜひ参考にしてみてください。
bit・kHz(キロヘルツ)・kbps(キロビーピーエス)の違い
音質を測る上で大切なのが、以下の3つの単位です。
- bit
- kHz(キロヘルツ)
- kbps(キロビーピーエス)
それぞれの単位について簡単に解説していきましょう。
bitとは?
bitは量子化ビット数のことです。
ここでは「音そのものの解像度(細かさ)」と考えるとわかりやすいでしょう。
このbitの数値が大きければ大きいほど、より小さく細かい音まで再現することができます。
つまり原音により忠実ということです。
しかし、bitが大きいとデータの量も大きくなってしまうというデメリットがあります。
kHz(キロヘルツ)とは?
kHzはサンプリング周波数のことです。
「1秒間の音の表現で使われたデータの個数」と考えるとわかりやすいでしょう。
この数値が大きければ大きいほど、高い音域まで記録することができます。
またkHzはヘッドフォンの仕様を表すためによく使われる数値のひとつです。
スペック表をみると、「20Hz〜20kHz」のような数値をよく目にするでしょう。
これは、対応している音域の広さを示しています。
左の数値が小さければ小さいほど低音がしっかりと聞こえ、右の数値が大きければ大きいほど高い音域まで再現することが可能ということです。
kbps(キロビーピーエス)とは?
kbpsはいわゆるビットレートのことです。
「ビット毎秒」「キロビーピーエス(kilobits per second)」とも呼ばれます。
1秒間に何キロビットのデータを伝送できるかを表す単位です。
kbpsは以下の式で求めることができます。
kbps = bit × kHz × チャンネル数
チャンネル数とはスピーカーの数のことなので、例えばステレオなら「2」となります。
理論的には1秒間に処理されるビット数が大きいと、音質が高いです。
CDとハイレゾ音質の比較
CDとハイレゾ音質をデータの観点から比較していきましょう。
bit | kHz | kbps | |
---|---|---|---|
CD | 16bit | 44.1〜48kHz | 1,411.2kbps |
ハイレゾ | 44.1kHz/16bitを超過 |
CDスペックを超えたものをハイレゾと定義されています。
具体例は以下の通りです。
- 44.1kHz/16bit : CDスペック
- 48kHz /16bit : CDスペック
- 44.1kHz/24bit : ハイレゾ(量子化ビット数がCDスペックより高い)
- 48kHz /24bit : ハイレゾ(量子化ビット数がCDスペックより高い)
- 96kHz /16bit : ハイレゾ(サンプリング周波数がCDスペックより高い)
- 96kHz /24bit : ハイレゾ(CDスペックより両方高い)
- 96kHz /12bit : ハイレゾでない(量子化ビット数が低い)
- 32kHz /24bit : ハイレゾでない(サンプリング周波数が低い)
bitとkHzのどちらか一方でも下回っていれば、ハイレゾにはなりません。
しかしどちらか一方の数値がCDスペックと同じ場合は、もう一方がCDスペックを超えていればハイレゾとなります。
とはいっても、ハイレゾ音源は「96kHz/24bit」や「192kHz/24bit」が主流です。
人間の耳の限界について!ハイレゾは無意味?
人間の音を判別する能力の限界はどのくらいなのでしょうか。
個人差はありますが、人間の可聴域は20Hz〜20kHzと言われています。
<参照:聴覚 - Wikipedia>
CDのサンプリング周波数は44.1kHzです。
この数値は理論上、元の音の22.05kHzまで再現できるので人間の可聴域を十分にカバーすることができます。
となると、CD以上のスペックを誇るハイレゾ音質は人間の耳では聞き取れないのではないかという疑問が生まれるでしょう。
実際は科学的な観点から否定的意見が多く、未だ論争となっています。
<参照:ハイレゾリューションオーディオ - Wikipedia>
もっとも音は体感によるところも大きいので、気になる方は実際に試してみると良いでしょう。
ハイレゾ楽しむために必要な環境
実際意味あるかどうかはさておき、ハイレゾを楽しむには用意しなければいけないものがあります。
必要な環境は以下の通りです。
- ハイレゾ音源
- ハイレゾ対応のヘッドフォン/イヤホン/スピーカー
- ハイレゾ対応端末
それぞれの環境について解説していきましょう。
ハイレゾ音源
ハイレゾ音源は様々なメディアが存在します。
その中でも最も手軽なのが、ネット配信によるハイレゾ音源でしょう。
ハイレゾ配信サイトではあれば、多くの音源を手にいれることができます。
ハイレゾ対応のイヤホンで聞いただけではハイレゾにはならないので注意が必要です。
ハイレゾ対応のヘッドフォン/イヤホン/スピーカー
ハイレゾ音源だけでなく、対応のヘッドフォンやイヤホン等のアイテムも用意しましょう。
対応しているかどうかは商品パッケージのハイレゾマークの有無を確認すれば手っ取り早いです。
なおほとんどのワイヤレスヘッドフォンは送信中にデータを圧縮するため、ハイレゾ再生には対応していません。
ワイヤレスの場合は、aptX/aptX HDに対応したアイテムか、SONYのLDACに対応した機器だけがハイレゾをサポートしています。
いずれにしても、ハイレゾマークが目印です。
ハイレゾ対応端末
iPhoneの場合は、ハイレゾ音源の出力に対応していません。
そのため、ハイレゾ対応のDAC搭載ヘッドホンアンプを用意する必要があります。
Androidの場合は、Xperia等でハイレゾに対応している端末があります。
ハイレゾ音質を楽しむためには、音楽を流す端末も対応しているか確認する必要があります。
おすすめのハイレゾアイテム
具体的におすすめのハイレゾアイテムについてご紹介していきます。
- ACTIVO「CT10」
商品の魅力についてみていきましょう。
ACTIVO「CT10」
[wpap service="with" type="detail" id="B07CGG2FPY" title="ACTIVO CT10 [Cool White] ハイレゾ対応高音質ポータブルオーディオプレーヤー"]
ACTIVO「CT10」はハイレゾを気軽に楽しめるデジタルオーディオプレイヤーです。
ACTIVO「CT10」には以下のような特徴があります。
- コンパクトサイズなのに滑らかな操作性を実現
- Astell&Kernならではの音質
- MicroSDカードで最大400GBの拡張
- grooversは2019年6月30日に終了
それぞれの特徴についてご覧いただきましょう。
コンパクトサイズなのに滑らかな操作性を実現
ACTIVO「CT10」のコンパクトさは、多くの人から支持されています。
ほとんどのスマートフォンよりも小さく手のひらサイズなので、持ち運びにも便利でしょう。
そして小さいにも関わらず、「Quad-Core CPU」を採用しているので安定性も抜群です。
「Quad-Core CPU」は処理能力も高く、滑らかな操作性を実現します。
容量が大きくなりがちなハイレゾだからこそ、処理能力は重要です。
Astell&Kernならではの音質
ACTIVO「CT10」はAstell&Kernの技術力が集結されています。
Astell&Kern(アステル アンド ケルン)は韓国IRIVER(アイリバー)社の独自ブランドで、Hi-Fi/ハイレゾ音源対応のオーディオプレイヤーを多く開発してきました。
音質の高さから、今やハイレゾプレーヤーの定番ブランドのひとつです。
ACTIVO「CT10」は、グループ企業であるIRIVER社に開発支援を要請したからこその音質を誇っています。
MicroSDカードで最大400GBの拡張
容量は16GBなので、ハイレゾ音源を入れるには少し小さめです。
しかし最大400GBのMicroSDカードに対応しているので合計で416GBまで拡張することができます。
別売となりますが、音楽をたくさん入れたい方はMicroSDカードを購入しましょう。
ハイレゾは容量が大きいです。
grooversは2019年6月30日に終了
ACTIVO「CT10」はプレーヤー本体から直接ハイレゾ音源を購入することができました。
しかし、現在は配信サイトの「groovers」が終了してしまったため利用することができません。
もっとも、ACTIVO「CT10」は簡単にパソコンから楽曲を転送することができます。
「groovers」が終了してしまったからといって、ハイレゾが聴けなくなるわけではありません。
アナログデータとデジタルデータの違い
アナログは線です。
デジタルは点です。
デジタルデータは点を連続して配置することによって、よりアナログ(線)に近づけることができます。
レコードは連続した音の波をそのまま溝に刻み記録するのでアナログです。
CDは連続した音の波を一定時間で区切り(標本化)、区切りごとに数値を当てはめていきます(量子化)。
そしてその数値をコンピュータに適したデジタルデータに変換するという流れです(符号化)。
このようにあくまでもデジタルデータは点なので、理論上はアナログよりも原音からかけ離れています。
しかし人間の耳では判別不可能なため、デジタルでも違和感なく音を楽しむことが可能です。
ロスレス圧縮(可逆圧縮)とロッシー圧縮(不可逆圧縮)の違い
基本的にはkbpsが高ければ高いほど、原音に近いという意味でも音質が高くなります。
したがってkbpsの高い音源だけを集めれば良いと思ってしまいがちです。
しかしデータ量が多くなってしまうので、現実的には圧縮しなければいけません。
そこで登場するのが、2つの圧縮技術です。
- ロスレス圧縮(可逆圧縮)
- ロッシー圧縮(不可逆圧縮)
- 非圧縮音源について
それぞれの圧縮技術について解説していきましょう。
非圧縮音源についてもあわせてみていきます。
ロスレス圧縮(可逆圧縮)
ロスレス圧縮はデータを損なわずに、圧縮するので多くの情報量を保持できるメリットがあります。
つまり傾向としては、kbpsの値が高くなるというわけです。
もちろん圧縮しているので、ファイルの容量もおよそ半分のサイズにすることができます。
しかし、ロッシー圧縮に比べると容量はかなり大きいです。
ロッシー圧縮(非可逆圧縮)
ロッシー圧縮はmp3やAACなどのフォーマットが有名です。
これらの音声ファイルは人間の耳では聞こえない音をカットして圧縮するので、多くの容量を削減することができます。
しかし音をカットするという意味でも、原音からは遠ざかってしまいます。
ただし一般人の耳や用意できる環境ではロスレスとの聞き分けがかなり困難です。
したがって現在でもサイズ削減の利点を活かし、多くのソフトやサービスで採用されています。
非圧縮音源について
最も原音に近い音声ファイルといっても過言ではありません。
Windowsの.wav、Mac OSの.aiffが非圧縮音源として有名です。
非圧縮音源はとても柔軟なので、任意のサンプリング周波数とビットレートのデータを格納することができます。
したがって、最初に録音するファイル形式として最適です。
しかし言わずもがな、圧縮していないのでファイルのサイズが大きくなります。
そのため現在は、元データを保持したままサイズ削減できるロスレス圧縮が人気です。
- bitとは音そのものの細かさを数値化したもの
- kHzとは時間軸におけるデータの細かさ
- kbpsが高いとリアルな音に近い
- リアルな音に近ければ近いほどデータの容量が大きくなる
- ハイレゾは人間の耳では聞き取れないという否定的な意見が多い